Shinobu Koizumi

Eternal

椅子


Eternal

朽ちゆく運命に向かって時を刻み、「永遠」を否定する石の椅子です。


Eternal

16個の時計が石の椅子に埋込まれており、秒針の動きと音がこの椅子の装飾になっています。それはまた、我々がけっして時の経過から逃れられないことを示唆しています。



秒針の動きと音の様子。


Eternal

時計の盤面は蓄光して暗闇で発光します。


Eternal

電池交換の際は吸盤で時計を取り外します。


Eternal

Eternal

東日本大震災をとおして、我々が根ざす「大地」もけっして絶対的なものではなく、揺るぎ裂ける可能性を常にはらんでいるのだと痛感しました。これは防波堤や発電所についても同様で、それらが絶対安全であるという過信から備えを怠り、甚大な被害を出してしまったのではと想像します。石の椅子は大地のメタファーであり、また劣化していく全ての事象の象徴です。秒針は刻々と過ぎゆく「時の経過」を示し、崩壊が訪れる「その瞬間」に向かって、モノに対する過信を警告し続けるのです。


サイズ:W520xD740xH750 (SH390)
素材:御影石、エポキシ樹脂、ポリスチレン、時計