Shinobu Koizumi

金額調整


金額調整

基本設計図を元に見積もりをとると、どうしてもクライアントの予算ぴったりというわけにはいかず、オーバーすることが多いものです。まずは積算の内容をクライアントに開示し、増資が可能かどうかのお伺いをたてます。やはりそれは難しいということであれば、設計の内容をもう一度見直し、修正していきます。この工程を「VE (Value Engineering)」と呼びます。

VEでは以下のような作業を行ないます。

1. 適正価格の精査
施工業社の提示した金額の内訳それぞれが相場と比較して高すぎないかをチェックします。

2. 材質の変更
使用予定の材質をより安価なものに差し替えることでコストダウンを図ります。例えばタイルを貼る予定だった壁の仕上材を塗装に変える、などです。

3. 部分的な中止
設計に盛り込んでいた什器制作や造作工事を、機能的・デザイン的に支障のない範囲内で部分的に中止します。この時、その空間にとってテーマとなる主要素、魅力的な部分は間違っても損なわないよう注意します。

設計内容をクライアントの予算内におさめていくわけですが、僕はこのような変更や中止をデザインを「あきらめる」ことと捉えるのではなく、クライアントにとって最良な解に向けてデザインを「研ぎすます」ことなのだと考えています。


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